東京地方裁判所 昭和60年(ヲ)702号 決定 1985年9月18日
当事者の表示 別紙当事者目録のとおり
主文
別紙物件目録記載の不動産に対し、買受人が売却代金を納付するまでの間、相手方の占有を解いて、東京地方裁判所執行官に保管を命ずる。
執行官は、その保管にかかることを公示するため適当な方法をとらなければならない。
(裁判官原敏雄)
別紙当事者目録
申立人 巣鴨信用金庫
代表者代表理事 田村冨美夫
上記代理人弁護士 丹羽健介
同 佐藤米生
相手方 戊沢五郎
別紙物件目録
(一)所在 東京都台東区谷中七丁目三八番地一
家屋番号 三八番一の一
種類 居宅 作業場
構造 木造亜鉛メッキ鋼板葺二階建
床面積 一階 113.46m2
二階 110.91m2
別紙保全処分命令申立書
東京地方裁判所民事第二一部 御中
昭和六〇年九月一七日
申立人 巣鴨信用金庫
上記代理人弁護士 丹羽健介
同 佐藤米生
当事者の表示 別紙当事者目録記載のとおり
申立ての趣旨
上記建物に対する相手方の占有を解いて、これを執行官に保管させる。この場合、執行官はその保管していることを公示するために、適当な方法をとらなければならない。
との裁判を求める。
申立ての理由
一 申立人は、別紙物件目録記載の建物(以下本件建物という)につき、御庁より昭和六〇年七月一〇日不動産競売開始決定(昭和六〇年(ケ)第一四一八号)を得て、現に係属中であります。
二 しかるところ相手方は、昭和六〇年九月一四日占有補助者の子野日聡をしてパワーショベルにより本件建物を半分余損壊し、下谷警察署の取り毀し中止の警告を無視して尚損壊行為を実行しようとしたため、上記占有補助者は建造物損壊罪で現行犯逮捕された。現場には、工事作業員の他国防服ようの制服を着た右翼政治結社に所属すると思われる者七〜八名がたむろし、子野日が逮捕された後も「一人逮捕されても民族運動をやっている者は何人でもいるからな」などと言っており、今後も再度本件建物の損壊行為に出るおそれが極めて強い。かくては既に半分程損壊されて、本件建物の価値が激減している上に、建物の滅失によって申立人の根抵当権すら消滅してしまうおそれすらある。
三 よって、申立人は、民事執行法一八八条、五五条に基づき申立の趣旨記載のとおりの裁判を求める。なお執行官保管命令は、滅失等を禁ずる不作為命令に違反した場合に申立てることになっているが、警察官の警告を無視し、しかも裁判所の活動が停止する休日をねらって損壊の挙に出ており、一旦損壊に着手すれば機械力の行使によりものの一〜二時間で滅失させられてしまわれるので不作為命令とともに執行官保管命令を出していただかないと本件建物の価値を保全するにつき実効性がないと思料されます。
別紙 当事者目録
申立人 巣鴨信用金庫
代表者代表理事 田村冨美夫
上記代理人弁護士 丹羽健介
同 佐藤米生
相手方 戊沢五郎
別紙 物件目録
一 所在 東京都台東区谷中七丁目三八番地一
家屋番号 三八番一の一
種類 居宅 作業場
構造 木造亜鉛メッキ鋼板葺二階建
床面積 一階 113.46m2
二階 110.91m2